「フランクフルター・アルゲマイネ紙」「南ドイツ新聞」「ツァイト紙」「ヴェルト紙」 のトップ記事を以下にまとめました。
1)タリバンがカブールに帰還したが、人々はイスラーム主義者を恐れており、無法地帯である。
2)アメリカ軍が20年近く基地を維持し、多くの武装ジハード主義者を投獄したカブールのすぐ北にあるバグラムでは拘置所の扉が開かれた。何千人もの解放された男性 の話がありました。タリバンがまず行ったことは、アメリカ軍に拘留されていたジハード主義者を解放したのである。
3)このような中、アメリカ大使館に勤務したた者は72時間以内に出国しなければならない。
4)アメリカの交渉使節がカタールでのタリバンにおいて、イスラム主義者がアメリカの外交官を攻撃しないよう交渉した一方で、タリバンはアメリカ政府を侮蔑する映 像をソーシャルメディアを通じて拡散した。
5)タリバンが戦闘をすることなしに支配した地域において、彼らは、アメリカ軍がアフガニスタン政府軍に武装させた兵器をもちポーズをとるなどの映像が拡散された。
6)アフガニスタンへの軍事介入は、当初から明白な目的もなく、有効な手段が見出せないことに苦しんでいました。バイデン米大統領にはこの混沌の一部に責任がある が、ドイツ連邦政府も同様である。
7)タリバンは大統領宮殿を占領した。ガニー、アフガニスタン大統領は国を去った。アフガニスタンの内務大臣は権限の委譲を約束した。ドイツ連邦政府はアフガニス タンに滞在するドイツ国民を国外に脱出させようと試みている。ドイツ外務省は大使館を閉鎖し、職員を首都の空港に移動させた。
8)カブールからの撤退はアメリカ人の心を傷つけた。共和党はバイデン大統領の軟弱さを非難している。
9)特権を持つわずかの人を除いて、もはや誰もタリバンからは逃れられない。町のショーウィンドウは変わり、万が一に備えて女性の絵は塗りつぶされた。
10)ガニー、アフガニスタン大統領は出国後、フェイスブックを通じて「タリバンは勝利を収めた」と述べた。彼はどこの国に滞在するのかを表明していないが、アフ ガニスタンの報道によるとタジキスタンに滞在するという。
11)ドイツ国内においても今回のアフガニスタンからの退避についての批判がでている。例えば、FDPのランブスドルフは、政府がマザリシャリフから出国する期を逃し ていたことを批判した。
12)ニーダーザクセンの内務相であるピストリウスは、「我々に貢献してきた人々を迅速に、非官僚的に助け出すべきだ。生命が何よりも大事だ」と述べた。どうやら、 このドイツ政府の対応が国内政治への影響は避けられないようである。
13)アフガニスタンでは平和的に権力がタリバンに委譲されたが、とりわけ、女性にとってこれから地獄の日々が訪れようとしている。
➡ドイツはアフガニスタンへの派兵を行い、アメリカとともにタリバンの掃討作戦に乗り出した。ドイツも日本と同じく敗戦国であり、軍隊派兵に対するアレルギーは強 い。そのような中、アフガニスタンへの派兵が行われたわけだが、結果的にこれまでの努力が水泡に帰す結果となってしまった。すでに国内ではこれを批判する声が上が ており、9月の総選挙にどう影響を及ぼすのだろうか。少なくとも、ドイツ国民の間では、アフガニスタンへ派兵された兵士に対する態度は冷たいものだと言われている。 日本と同じく敗戦国であることから一部軍隊に厳しい人たちがいるからである。しかし、ドイツはNATOの一員であり、集団的自衛権にも組み込まれていることから、今回 の派兵は道理にかなったものといえよう。しかし、結果的に敗北に近い形でアフガニスタンから撤退したことに世論は厳しいのである。
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